交通事故被害者が、病院に行くべきか、整骨院に行くべきかの判断基準をご紹介します。
交通事故に遭ってむちうちや骨折、脱臼などの症状が出る場合、整形外科でも整骨院でも治療や施術を受けることができます。
しかし、基本的には、このどちらかを選ばないといけません。
いったいどちらを選ぶと良いのでしょうか?
以下では、病院に行くべきか整骨院に行くべきかの判断基準を考えてみましょう。
1.交通事故直後の急性期
交通事故の直後は、症状が急性です。
激しい傷みを伴うこともありますし、傷ができていることもあるでしょう。
また、自分では気づいていない重大な症状が発生している可能性もあります。
たとえば、脳内や体内で出血が起こっていたら、早期に対応しないと大変なことになってしまいます。
そこで、交通事故直後は、とにかく早めに病院を受診すべきです。
病院であれば、きちんと医師が患者の状態を確認して、適切な検査を行い、必要な治療を行ってくれます。
レントゲンやMRIなどで正確な症状を把握できるので、重篤な症状を見逃すこともありません。
痛みや炎症が起こっていたら、痛み止めや炎症止めの薬をもらうことで、症状を落ち着けることもできます。
また、事故直後にしっかりと検査記録を残しておくことにより、後に損害賠償請求をするときの重要な資料にすることも可能となります。
交通事故後整形外科に通い始めたら、その後症状が落ち着くまで、定期的に通院を継続しましょう。
2.しばらく治療を続けて症状が落ち着いてきたとき
それでは、事故後整形外科に通い続けて症状が落ち着いてきたら、どうすればよいのでしょうか?
そのまま整形外科に通院し続けていて良いのでしょうか?
症状がある程度落ち着いてしまったら、あまり整形外科で行うべき治療がなくなってしまいます。
症状固定しなくても、医師と会って状況を報告して、経過を見る、ということが主になってくるでしょう。
そこで、このようなときには整骨院に通院すると良いです。
整骨院では、マッサージやツボ押し治療などにより、痛みやしびれを緩和してくれるからです。
こうした施術は病院では受けられず、整骨院ならではのサービスです。
3.事故後、いきなり整骨院に通院するのはNG?
このように、交通事故患者が通う院の順番としては、
- まずは整形外科
- その後、症状が落ち着いたら整骨院
に通院すべきです。
ところが、たまにこのことを知らず、いきなり「整骨院」に通院をしてしまう人がいます。その場合、どのような問題があるのでしょうか?
整骨院では、適切な治療を受けることができません。
そこで、ケガの痛みが酷くても、投薬などによる治療を受けられず、ケガの状態を改善することができません。
骨折している状態でマッサージを行うことが不可能なことは、明らかでしょう。
また、整骨院ではレントゲンなどの検査を受けられないことが重大な問題です。
交通事故で骨折やむちうちなどのケガをしたら、後に後遺障害が残り、後遺障害の認定を受けることができる場合があります。
そのとき必ず、レントゲンなどの「画像検査結果」が必要です。
しかし、事故後いきなり整骨院に行ってしまうと、こうした画像診断を受けることができないので、そのような資料が全く残りません。
その結果、後遺障害の認定を受けるための資料がないとして、認定を受けられなくなってしまうのです。
認定を受けられなかったら、後遺障害慰謝料や逸失利益をもらえなくなるので、賠償金の金額が大幅に減らされてしまいます。
このような問題があるので、交通事故に遭ったら、必ずすぐに「整形外科」を受診しなければなりません。
いきなり整骨院に行くのはNGなので、そのようなことのないように、注意しましょう。