自己破産と生活保護はどちらが先?同時にできる?

生活保護

自己破産生活保護はどちらが先の方がいいのでしょうか?

また、自己破産と生活保護は同時に手続きができるのでしょうか?

自己破産を検討中の方の中には、生活保護も一緒に考えている方が多いと思います。

先に結論から申し上げますと、自己破産をしていても、生活保護を受給することは可能です。
また、生活保護を受給していても、自己破産をする事ができます。

自己破産も生活保護も、どちらが先がいいと言う決まりはありません。
申請の種類が違うため、同時に申請をすることも可能です。

では、なぜ同時に手続きができるのか?
自己破産と生活保護の違いや相乗効果は?
などを中心に分かりやすく紹介していきたいと思います。

これから自己破産・生活保護を考えている方には、とても役立つ内容となっていますので、是非参考にされるといいでしょう。

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自己破産と生活保護の違いとは?

まずは、自己破産と生活保護の違いについて、簡単に説明しておきます。

自己破産とは
全ての財産を失う代わりに、払い切れなくなった借金を免除してもらう破産法第二条に基づいた法的に認められた救済措置です。

生活保護とは
病気やケガなどにより仕事ができなくなるなど、生活難に陥ったときに最低限度の生活を保障する生活保護法第一条に基づいた支援制度のことを言います。

自己破産は裁判所の管轄で申立てができる手続きの一つです。
ここで言う裁判所とは、司法行政上の司法権を行使する国家機関のことを言い、法務省とは分離されている独立した国家機関のことです。

一方、生活保護は、日本国憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活を保障する」に順にた厚生労働省の政策の一つで、各地域の福祉事務所に申請をすることで受けられる生活保護制度を言います。

上記のことから分かる通り、管轄する機関も違いますし、法的手続きと支援制度と言った点も違います。

また、自己破産をする上で、生活保護を受けていることで悪い影響を受けることはありません。
生活保護を受けるにあたっても、自己破産をしている事が問題視されることもありません。

よって、自己破産の手続き中でも、生活保護の申請はできますし、
生活保護制度を利用していても、自己破産の申し立てもできると言う訳です。

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自己破産を優先した方がいい場合

自己破産と生活保護は基本的にどちらを優先しても何も問題はありません。

しかし

自己破産と生活保護の性質上、自己破産を優先した方がいい場合があります。

それは、借金の督促や催促がある場合です。

借金を滞納してしまい、債権者から通知・督促・催促がある場合は、
まず専門家に依頼をして受任通知を送ってもらう事が先決でしょう。

そのときに大切なことが1つあります。
それは、債務整理の実績豊富な弁護士か司法書士に相談することです。

専門家による受任通知の発送で、債権者からの督促・支払い請求などはすぐに止まります。

生活保護を受けたところで、借金の督促などは止まりません。
法律の専門家による受任通知を発送してもらわなければ、督促を止める効果は無いでしょう。

自己破産の場合、自己破産が完了するまでにかかる期間は、最短でも約3か月~6ヶ月ほど要すると言われています。
でも、生活保護を申請して生活保護が受けられるまでの期間は、約2週間ほどです。

先に自己破産を優先して督促を止めてもらってから、生活保護の申請をすることも可能です。
まずは督促を止めたい場合は自己破産を優先して、手続きを進めるといいでしょう。

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自己破産を優先するメリット

自己破産を先にしてから生活保護をすると良い理由は他もあります。

生活保護の担当者は、生活保護を申請する際に、自己破産を先に済ませて借金をキレイに清算してから生活保護を受けるるように勧めているそうです。

なぜなら、先に自己破産をすることで借金が無い状態になり、生活保護の支給金を借金の返済に充てる必要が無くなるからです。
支給金による借金の違法返済の防止にもなります。

生活保護の支給金を借金の返済に充てることは違法行為です。
生活保護の支給金は、生活のため以外に使用している事が生活保護のケースワーカー(相談員)に発覚すると、支給金を打ち切られてしまいます。

生活保護の支給金が入るとつい借金の返済に充てたくなってしましますが、先に自己破産をすることで、違法な支給金の使い方を未然に防ぐことができると言う訳です。

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生活保護を優先した方がいい場合

生活保護を優先した方がいい場合は、生活費が困窮してしまっている場合です。

自己破産は完了までに約3ヶ月~6ヶ月と時間がかかってしましますが、生活保護は申請から支給まで約2週間と期間が短く、自己破産より早く生活費が工面できます。
生活が困窮している場合、まずは生活を立て直してから自己破産をしても遅くはありません。

また、生活保護を受けながら法テラスを通して自己破産をすれば、専門家に支払う報酬金や裁判所に支払う手数料などが免除になるなど、費用面の負担が無くなる可能性があります。

自己破産をする場合に法テラスを通して手続きをすると、一定の条件を満たすことで「民事法律扶助制度」の利用が可能な場合があります。

この制度を利用すると、専門家の無料相談や報酬・手数料、書類作成費など法テラスが立て替えてくれます。
毎月5千円~1万円を法テラスに返済をしていけばいいので、この制度を利用できるか否かでは経済的意味でも負担が違います。

ただ、立て替えてもらえるのは専門家に払う費用で、裁判所に支払う手続き手数料や予納金などは別途用意しなくてはいけません。

でも、生活保護を先に申請することで、法テラスの立て替え費用の返還が免除される他、裁判所に支払う手続き手数料や予納金も免除になります。

つまり

生活保護を受けると、実質無料で自己破産の手続きができると言うことになります。

なので、自己破産の申立てを先にするか、生活保護の申請を先にするか、ケースによって違いがあるものの、個人的には生活保護を先に申請した方がいいように思います。
生活保護の制度上のメリットが多いように感じられます。

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生活保護を優先するメリット

生活保護を優先するメリットに、自己破産では免除されない非免責債権が、生活保護を受けると免除になることが挙げられます。

生活保護を受けていない場合の自己破産は、支払い義務が免除されない非免責債権と呼ばれる、税金・保険料・慰謝料・罰金などと言った返済義務が残ります。
これら非免責債権は自己破産をしても免除されるものではありません。

しかし、生活保護を受けると、これらの非免責債権の支払いも免除されます。
既に非免責債権を滞納している状態であっても、生活保護を受けることで滞納している非免責債権に対する、給与差し押さえなどの強制執行処分が停止されます。

生活保護を受給している間は執行停止が継続します。
処分が停止している状態で3年経過すると、非免責債権の滞納分の支払いが全て免除され、生活保護の支給金が打ち切りになっても免除された非免責債権の支払い義務は消滅したままです。

ただし、3年経過の前に生活保護が解消された場合は、滞納分の非免責債権の支払い義務は復活し、再び支払い義務が発生することを覚えておいてください。

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自己破産後の生活保護を受ける場合の注意点

自己破産後に生活保護を受ける場合に、注意しなければいけないことがあります。

以下に挙げる注意事項は、生活保護を受けるにあたりとても大事なことです。
よく理解をしておきましょう。

生活保護の支給金を借金の返済に充てない

生活保護の支給金は、原則借金の返済は禁止されています。
自己破産後なら心配は無いですが、自己破産の手続き前は要注意です。

新たに借金をしない

借金は収入とみなされますので、収入は報告する義務があります。
収入を隠したり、報告しないでいると不正受給になる場合もあります。
ローンを組む・クレジットカードの作成・使用も借金をする事と同じなので認めてもらうことはできません。
自己破産をすれば、どのみちローンやクレジットカードは使用できなくなります。

車の保有・使用は原則禁止

車の名義人に関わらず、車の保有や使用は基本禁止です。
仕事や介護と言った理由の場合は、使用を許可せれることもあります。

贅沢品・財産などの所有を制限

生活保護を受給する場合、土地、高級住宅、宝飾品、高額の生命保険などの贅沢品の保有は認められません。

自己破産をした時点で財産があれば、高価な財産は没収されているので、そこまで気に留める必要はないでしょう。

また、新たに購入したい日用品に関しても、ケースワーカーに聞いて許可が出ないと保有することもできない品物もあります。

上記の行為は、生活保護を受ける上で決められた規則です。
生活保護を受けたいのであれば、規則は守らなけらばいけません。

もっとも、自己破産をした時の生活も、生活保護を受けた時の生活も、どちらも同じような生活になります。
贅沢さえしなければ、通常の生活が送ることができますので、必要以上に怖がることもないでしょう。

しかし、これらの行為がケースワーカーに発覚した場合、支給金の打ち切りになる場合もあります。
場合によっては、支給金の返還を求められることもありますし、罰則を伴う事もありますので、充分に注意が必要です。

分からないとこは、今すぐ債務整理の実績が豊富な弁護士や司法書士にお問い合わせしてみましょう。

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生活保護で免除になる税金・費用

生活保護を受けると、以下の税金や料金が免除になります。
自己破産では、免除にならない税金や費用も、生活保護を受けることでカバーできます。

免除になる税金 税金以外に免除費用
・所得税
・住民税
・個人事業税
・固定資産税
・軽自動車税
・国民年金保険料
・介護保険料
・保育料
・MHK受信料
・水道料金
・医療費
・介護費
・葬祭費用
・弁護士費用

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生活保護で支給される費用

以下の費用は生活保護により支給される費用です。

自己破産では借金(マイナス)を帳消し(ゼロ)にしますが、生活保護は借金を帳消しにしたところから生活に足りない部分を支給(プラス)にしてくれる制度です。
生活に困窮してしまったら、迷うことなく生活保護制度を利用するといいでしょう。

支給される項目 支給内容
・食費
・水道光熱費
・衣服費
・家賃
・医療費
・介護費
・出産費
・葬祭費
・義務教育に必要な費用
・就労技術の習得費用
・個人的費用
・世帯共通費用の合算
・個人的費用
・指定範囲内
・現物支給
・現物支給
・指定範囲内
・指定範囲内
・指定範囲内
・指定範囲内

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自己破産と生活保護はどっちが先?のまとめ

自己破産と生活保護はどちらが先?
と言うと、どちらが先でも問題はありません。

また、自己破産と生活保護の両方を同時に進めることも可能です。

<自己破産と生活保護の違い>
・自己破産は法的に認められた救済措置。
・生活保護とは最低限度の生活を保障する支援制度。

管轄する機関、手続きと制度、双方ともに性質が違います。
互いに申立てや申請をする条件に規定などの指定がないため、どちらを優先しても影響をしません。
また、性質がちがうので、同時に手続きをすることができます。

<自己破産と生活保護の優先基準>
・督促を止めたい場合は自己破産を優先して手続きを進めること。
・困窮した生活を立て直すことが優先せれるなら生活保護を先に進めること。

個人的には、生活保護を先に進める方が良いように感じます。

自己破産も生活保護も人によって事情が異なるため一概には言えませんが、どんなに困難な状況でも方法はあります。
困ったら実績の豊富な法律の専門家に相談をする事が何より大切なことです。相談は無料です!

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