自己破産すると、ローンやクレジットカードを利用できない「ブラックリスト」状態になってしまうので、住宅ローンを利用することは難しくなります。
ただ、時間が経過したら、また住宅ローン審査に通ることも可能です。
今回は、自己破産をした後、住宅ローンを利用する方法とそのための工夫をご紹介します。
1.自己破産したら、住宅ローンを組めない!
自己破産すると、
住宅ローン審査にとおらない
自己破産をすると、住宅ローンを組むことができなくなると言われていますが、本当でしょうか?
残念ながら、これは事実です。
自己破産だけではなく、任意整理や特定調停、個人再生などの他の債務整理をしたときにも、住宅ローンを利用できません。
住宅ローンを利用するためには、借入先の金融機関で「審査」を受けて、通過しなければなりません。
ところが、自己破産やその他の債務整理をすると、住宅ローン審査に通らなくなってしまうので、住宅ローンを組むことができなくなってしまうのです。
借入先によっては、利用できる?
住宅ローンの借入先は、いろいろあります。
借入先によっては、自己破産をしても利用することができないのでしょうか?
住宅ローン融資をする金融機関は、いくつかの種類に分けることができます。
銀行系の住宅ローン
1つは、銀行系の金融機関です。
全国に支店のあるメガバンク、都市銀行、地方銀行、信用金庫や労働金庫などが住宅ローン貸付を実施しています。
銀行系の住宅ローンを利用したいときには、各金融機関に直接申込みをします。
すると、事前審査と本審査を経て、融資の可否が判断されます。
金利は、変動金利型と固定金利型から選べます。
固定金利の場合、金利は一定となりますが、固定できる期間は20年までであることが普通です。
期間が終了したら、引きつづき固定金利を選ぶことも可能です。
フラット35
2つ目は、フラット35です。
これは、住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して実施している住宅ローンです。
35年間の長期固定金利を利用することができて、金利も低めなので人気があります。
申込みをするときには、窓口となっている金融機関に申請をします。
申込先の金融機関で仮審査、その後住宅金融支援機構にて本審査が行われます。
ノンバンク系の住宅ローン
ノンバンク系の住宅ローンもあります。
銀行ではない金融会社や保険会社などが、住宅ローン貸付を専業で行っているものです。
たとえば、日本住宅ローンやファミリ-ライフなどです。
こうしたノンバンク系の住宅ローンは、審査が甘めですが金利が高いです。
このように多種多様な住宅ローンですが、自己破産をすると、どの住宅ローンも利用することができなくなります。
比較的審査の甘いと言われるノンバンク系のものでも、審査に通ることができません。
結論として、自己破産をすると、住宅ローンの利用はあきらめるしかありません。
ただし、一定期間が経過したら、また元通り住宅ローンを組むことが可能となります。
2.自己破産で、住宅ローンを利用できない理由
自己破産をすると、どうして住宅ローンを利用できなくなるのでしょうか?
事故情報が登録される
それは、自己破産により、個人信用情報に事故情報が登録されてしまうからです。
個人信用情報は、国民1人1人のローンやクレジットカードなどの利用状況に関する情報です。
いつどこの金融会社に融資を申し込んだのか、いくら借入をしたのか、延滞していないかなどの情報が詳細に登録されています。
そこで、個人信用情報を見ると、その人を信用できるかどうか、正確に判断できます。
事故情報というのは、「問題を起こした」という意味合いの情報です。
具体的には、債務整理をしたことを意味します。
そこで、個人信用情報に事故情報が掲載されているということは、「過去に債務整理をした信用の低い人」ということです。
こういった人に融資をすると非常に高いリスクを負うことになるので、金融機関や貸金業者は、事故情報が登録されている人に融資をしません。
この理由により、自己破産をすると、住宅ローンを利用できなくなるのです。
自己破産をしたとき、信用情報機関から「事故情報が登録されましたよ」という連絡が来ることはありません。
破産をしたら、当然に事故情報が登録されて、住宅ローンを利用できない状態になっていると考えましょう。
住宅ローン審査の仕組み
それでは、銀行などの金融機関は、どうやって個人信用情報を確かめているのでしょうか?
以下で、住宅ローン審査の仕組みを見てみましょう。
3つの信用情報機関とその特徴
日本には、政府が指定する信用情報機関が3つあります。
1つはJICC(日本信用情報機構)、2つ目はCIC(株式会社シーアイシー)、3つ目はKSC(全国銀行個人信用情報センター)です。
JICCに加盟しているのは、主に消費者金融やサラ金などの貸金業者です。
CICに加盟しているのは、主にカード会社が信販会社などの貸金業者です。
KSCに加盟しているのは、銀行や信用金庫などの金融機関です。
そして、貸金業者や金融機関は、すべていずれかの信用情報機関に加盟しています。
特に、銀行などの金融機関は、必ずKSCに加盟しています。
また、金融機関の中には、KSCだけではなくCICやJICCなど、他の信用情報機関にも加盟しているところがあります。
ローン申請があると、個人信用情報を確認する
そして、住宅ローンやその他のローンの申込みを受けると、自社が加盟している信用情報機関に照会して、申込者の個人信用情報を確認します。
延滞している人や債務整理した人などの信用できない人を、見分けるためです。
ここで、自己破産による事故情報が登録されていると、「信用ができない人」と判断して、問答無用で住宅ローン審査に落としてしまいます。
このような理由から、自己破産をすると、住宅ローン審査に通らなくなるのです。
事故情報が登録される流れ
自己破産をすると、どのような流れで個人信用情報に事故情報が登録されるのでしょうか?
KSCの場合
住宅ローンに対する影響が大きいKSCの場合、「官報公告」されることが問題です。
官報公告というのは、自己破産したことが、政府の刊行誌である「官報」に掲載されることです。
KSCは、官報公告の情報をチェックしていて、官報公告された破産者の個人信用情報に、事故情報を登録します。
そこで、自己破産をすると、必ず個人信用情報に事故情報が登録されます。
JICC、CICの場合
JICCやCICの場合には、加盟している貸金業者の報告により、事故情報が登録されます。
貸金業者や金融機関は、ローンの申込みがあったときや長期延滞されたとき、債務整理をされたときなど、何かあったときには加盟している信用情報機関に対し、発生した事項について報告します。
すると、その報告を受けた信用情報機関が、それぞれの規定に従って個人信用情報に登録をします。
自己破産されたら、カード会社やサラ金などが加盟しているJICCやCICにそのことを報告するため、こういった機関の個人信用情報に事故情報が登録されます。
3.自己破産で、住宅ローンを利用できない期間は?
ただ、自己破産をしても、永遠に住宅ローンを利用できないわけではありません。
事故情報は、一定期間が経過したら、消去されるからです。
自己破産後、事故情報はいつまで登録され続けるのでしょうか?
これについては、各信用情報機関によって扱いが異なります。
KSCの場合には、自己破産後10年です。
最も長い期間となります。
JICCやCICの場合には、自己破産後5年です。
ただ、住宅ローンの借入先は、通常金融機関ですから、KSCに加盟しています。
そこで、自己破産すると、10年程度は住宅ローンを利用できなくなってしまいます。
4.自己破産後、住宅ローンを利用する方法
自己破産をした後、10年程度が経過したら、また住宅ローンを利用できる可能性があります。
ただ、10年経ったからと言って、やみくもに申請を出してもローン審査に通るというものではありません。
以下で、自己破産後住宅ローンを利用する方法を、順を追って説明します。
4-1.個人信用情報の開示請求をする
住宅ローンに限らず、債務整理後にローンやクレジットカードの申請をする前には、必ず事前に個人信用情報の内容を確認しておくべきです。
各信用情報機関で事故情報が抹消されても、登録されたときと同様、信用情報機関からは、何の連絡もありません。
ただ、事故情報が残っている状態で住宅ローンの申請をしても、審査に落ちてしまうだけです。
そこで、住宅ローンの申込みをする前に、自分の個人信用情報の状態を確認して、事故情報が消えている場合にローン申請すべきです。
3つの信用情報機関のすべてに開示請求する
自分の個人信用情報は、各信用情報機関に対して開示請求することができます。
このとき、KSCはもちろんのこと、CICとJICCにも開示請求をすべきです。
金融機関は、KSCだけではなくCICやJICCにも加盟していることがあります。
KSCで情報が消されていても、CICやJICCに情報が残っていたら、住宅ローンに通らない可能性があります。
また、自己破産後10年が経ってもCICやJICCに事故情報が残っているのはおかしいです。
これらの機関では、自己破産の事故情報登録期間が5年だからです。
もし、情報が残っていたら、何らかの手違いが起こっている可能性があるので、過去に借金していた貸金業者に問い合わせるなどして、確認しなければなりません。
情報開示する方法
個人信用情報開示請求をする方法は、それぞれの信用情報機関によって異なります。
- KSCの開示請求方法は、郵送のみ
KSCの場合には、郵送でのみ受付をしています。
申請書を送ると、後日個人信用情報の開示書類が送られてきます。手数料が1000かかります。
- CICの開示請求方法
CICの場合には、郵送以外にも、窓口申請ができますし、ウェブ上の開示サービスを利用することもできます。
特に、ウェブ開示サービスの場合、PCの画面やスマホ画面で情報を確認できるので、とても便利です。
料金は、窓口なら500円ですが、郵送やウェブ開示の場合、1000円です。
- JICCの開示請求方法
JICCの場合にも、郵送と窓口とスマホ開示を選ぶことができます。
ただ、JICCのスマホ開示は、スマホで情報開示申請を出せるというものであり、ウェブ上で閲覧することはできません。
郵送と同様に、後日開示書類が送られてきます。
また、窓口は東京と大阪しかないので、地方に居住している場合などには郵送かスマホ開示にすることをお勧めします。
手数料は、窓口の場合500円、郵送とスマホ開示の場合には1000円です。
4-2.事故情報の消し忘れがある場合
個人信用情報の開示請求をしたとき、もう既に5年が経過しているのに、JICCやCICに事故情報が残ったままになっていることが稀にあります。
このようなケースのことを「成約残し」と言います。
成約残しは、事故情報の消し忘れのようなものです。
この状態だと、放っておいても事故情報を消してもらうことができません。
下手をすると、永遠に住宅ローンを利用できないおそれがあります。
成約残しが起こる原因は、貸金業者に自己破産の「免責決定通知」が届いていなかったことなどです。
そこで、情報開示をしたときに成約残しがあったら、すぐに自己破産のときに対象にした債権者に連絡を入れましょう。
そして、「免責決定通知」や「免責確定証明書」などの書類を提示すると良いです。
すると、貸金業者から信用情報機関に連絡を入れてくれるので、個人信用情報から事故情報を消してもらうことができます。
4-4.クレジットヒストリーを作る
自己破産などの債務整理をした後に住宅ローンを組むためには、「クレジットヒストリー」を作ることも大切です。
クレジットヒストリーとは
クレジットヒストリー(クレヒス)は、クレジットカードやローンの利用履歴のことです。
自己破産後、5年や10年が経過して事故情報が消えたとき、個人信用情報は、「真っ白」な状態になっています。
つまり、まったくクレジットカードやローンを利用したことがないのと同じ状態になるのです。
このような個人信用情報の状態のことを、「スーパーホワイト」と言います。
未成年者や成人したての若者なら、このような状況もあり得るかもしれませんが、それなりの年齢の大人なら、クレジットカードを一度も作ったことがないというのは不自然です。
携帯電話の端末代分割払いもクレヒスですから、スーパーホワイトの人は、携帯電話の端末購入すらしていないということになります(もしくは、一括払いしているということです)。
そこで、金融機関は、スーパーホワイトの個人信用情報を見ると「過去に債務整理をして、ローンやクレジットカードを使えなかったのではないか?」と疑います。
このことで、審査に落とされるおそれもあります。
クレヒスを作る方法
それでは、クレヒスを作るためには、どのようにしたら良いのでしょうか?
そのためには、クレジットカードを発行したり、携帯電話の端末代の分割払いを利用したりすると良いです。
クレジットカードや携帯電話端末代分割払いは、自己破産後5年程度が経過すると、利用できるようになります。
そこで、なるべく審査が通りやすそうなカードに申込みをして、発行します。
クレジットカードには、大きく分けて銀行系、消費者金融系、流通系の3種類に分けることができます。
銀行系のカードは、三菱UFJニコスや三井住友VISAカードなど、銀行系企業が母体となっているクレジットカードです。
消費者金融系のカードは、アコムACマスターカードなど、サラ金会社が母体となっているクレジットカードです。
流通系のカードは、イオンカードなどの流通系企業が母体となっているカードです。
これらの中で、消費者金融系のカードは比較的審査が甘いことが多いです。
次が流通系であり、銀行系は最も審査が厳しいと言われています。
そこで、消費者金融系や流通系のクレジットカードを申込み、利用を継続してクレヒスを作りましょう。
4-5.審査にとおりやすい金融機関に申請する
個人信用情報に事故情報が残っていないことを確認し、クレヒスを作っても、必ずしも住宅ローンに通るとは限りません。
金融機関によって、住宅ローンの審査基準が異なるので、なるべく審査にとおりやすい金融機関を選ぶことも重要です。
住宅ローンの実施機関には、銀行系、フラット35、ノンバンク系があり、それぞれ審査方式が異なります。
ノンバンク系は、お勧めではない
審査にとおりやすいのは、ノンバンク系です。
ただし、ノンバンク系の住宅ローンはあまりお勧めではありません。こうした住宅ローンは金利が高いからです。
住宅ローン借入は、借入金額も大きくなりますし、支払期間も長くなるので、金利が高くなると非常に大きな負担がかかります。
支払いができなくなったら家を手放さざるを得ませんし、下手をすると、再度自己破産をしなければならないおそれもあります。
フラット35がお勧めな理由
これに対し、フラット35は、非常にお勧めです。35年間の固定金利で利率も低い上、審査にも通りやすいからです。
フラット35では、銀行と異なる審査方式をとっています。
住宅ローンには事前審査(仮審査)を本審査があります。
フラット35の場合、仮審査をするのは窓口となっている金融機関です。
ただ、金融機関自身が貸付をするわけではないので、銀行自身に住宅ローンを申し込む場合よりも、仮審査が甘めになります。
そして、本審査を行うのは住宅金融支援機構です。
そこで、フラット35の場合には、事実上住宅金融支援機構さえ納得したら、住宅ローンを利用することができるとも言えます。
これに対し、銀行の場合には、事前審査を銀行が行い、本審査を保証会社(保証協会)が行います。
銀行も保証会社も、自社の利害が直接関わってくるので、厳しくチェックします。
このように銀行から借り入れをするときには、2重のチェックがかかってくるので、ローン審査に通ることが難しくなるのです。
以上のように、ノンバンク系は金利が高く、銀行系ローンは審査が厳しいです。
フラット35なら、金利が低く条件が良いのに、審査は銀行系ローンより緩いので、自己破産後の住宅ローン借入にはお勧めなのです。
銀行系住宅ローンで審査が通りやすい金融機関は?
自己破産後、銀行系の住宅ローンを利用したい場合にも、お勧めできる順番があります。
銀行系住宅ローンの中でも、審査が緩いものと厳しいものがあるからです。
最も審査が厳しいのは、メガバンクや都市銀行です。
こうした銀行は、間口を広げなくてもいくらでも借り手がいるので、審査を緩めて顧客獲得する必要がありません。
これに対し、地方銀行の場合、多少審査が緩めになります。
地元に密着して営業しているため、地域住民が住宅ローンを組むときには、心強いでしょう。
信用金庫は、さらにお勧めです。
信用金庫は銀行と異なり、営利目的企業ではないからです。
銀行と信用金庫は似たイメージがあるかもしれませんが、実際にはかなり異なります。
銀行は、株式会社であり、営利目的を持っていて、主要な取引先は大企業となっています。
これに対し、信用金庫は株式会社ではなく、地域の住民や地元企業が助け合って相互に繁栄することを目的とする協同組織です。
そこで、地域住民や中小企業に親身になってくれますし、住宅ローンも通りやすいです。
そこで、銀行系住宅ローンを利用するなら、信用金庫を利用することをお勧めします。
なお、労働金庫は審査が緩いという噂もありますが、そういったことはありません。
むしろ、有利な条件で住宅ローンを組みたいために、多くの人が労働金庫に申し込むので、審査が厳しいと言われています。
4-6.住宅ローンを利用するために揃えておきたい属性とは
住宅ローンの審査にとおるためには、属性を良くすることが必要です。
属性とは、職種や勤務先、年収や年齢などの情報です。
以下で、どのような属性だと住宅ローンに通りやすいのか、属性対策の方法を紹介します。
定職に就く
自己破産後、定職についていない人は、まずは仕事に就くことが大切です。
住宅ローン審査では、自営業よりもサラリーマンの方が通りやすいです。
公務員は、さらに有利です。
サラリーマンならば、上場企業に勤務している人が優遇されます。
ただ、最近では住宅ローン審査が甘くなっており、アルバイトやパート、派遣社員でも審査にとおるケースがあります。
特に、ノンバンク系を通じてフラット35を利用すると、住宅ローンを利用しやすいです。
また、収入も、以前は、最低250万円程度は必要でしたが、最近では200万円を切っていても、利用できるケースがあります。
一定年数、勤務を継続する
住宅ローン審査では、勤続年数も評価対象となります。
就職後1年未満では、住宅ローンの利用は難しいと考えましょう。
最低でも2年は同じ会社に在職してからローンを申し込むべきです。
自己破産後のブラックリスト期間中に、勤務実績を作っておきましょう。
収入を高くする
当然のことですが、収入が高い方が住宅ローンに通りやすいです。
また、住宅ローンで利用できる金額が変わってきます。
住宅ローンには、返済負担率という審査基準があります。
返済負担率とは、年収に占める返済額の割合です。
たとえばフラット35の場合、年収が400万円以下なら30%、400万円を超える場合には35%とされています。
そこで、年収が多い方が、住宅ローン審査に通りやすい上、多額の借り入れができるので、より気に入った家を購入しやすくなります。
4-7.なるべく自己資金を多く用意する
住宅ローン審査では、自己資金比率が高いと通りやすいです。
自己資金比率とは、住宅の売買代金のうち、自己資金が占める割合です。
自己資金が多いと、万が一住宅ローンを滞納されたときに、家を売って貸付残高を回収しやすいです。
結果として金融機関のリスクが減るので、審査に通すのです。
そこで、住宅ローン申請前に、なるべく貯金をして自己資金を用意しておきましょう。
5.自己破産後10年以内でも住宅ローンを組む方法とは?
自己破産をしたら、KSCに10年間事故情報が登録されるので、基本的に10年間は住宅ローンを利用することができません。
ただ、工夫次第で6年や7年でも、住宅ローン審査にとおる可能性があります。
1つは、ノンバンク系の住宅ローンを利用する方法です。
ノンバンク系の住宅ローン専門会社は、金融機関ではないため、KSCに加盟していないことがあります。
そこで、KSCに事故情報が残っていても、JICCやCICで事故情報が消去されていたら、住宅ローンを利用できる可能性があるのです。
ただし、先にも言いましたが、ノンバンク系の住宅ローンは金利が高いので、リスクがあることは押さえておく必要があります。
もう1つの方法は、フラット35を利用する方法です。
フラット35の審査でも、住宅金融支援機構がKSCの個人情報をチェックしますが、銀行から借りるよりは審査が甘い傾向にあります。
銀行では、銀行と保証会社の両方が審査をしますが、フラット35の場合には、先にも説明したとおり、仮審査が緩いので、問題になるのは住宅金融支援機構の本審査だけだからです。
また、KSCに加盟していないノンバンク系の住宅ローン会社を通じてフラット35を申し込むと、仮審査ではKSCをチェックされずに済みます。
さらに、住宅金融支援機構は、銀行と違って国の機関のようなもの(独立行政法人)なので、銀行とは異なる視点で審査をしている可能性があります。
もし、自己破産後10年以内にどうしても住宅ローンを組みたい事情があるなら、一度フラット35を試してみる価値があります。
6.自己破産後、すぐにでもマイホームを購入するための工夫
最後に、自己破産後、すぐにでも住宅ローンを組んで家を購入する方法をご紹介します。
それは、家族名義で住宅ローンを申請する方法です。
個人信用情報は、個人個人についての情報なので、自己破産をしたときに事故情報が登録されるのは、破産した本人だけです。
配偶者や親、子ども、兄弟姉妹などの家族の個人信用情報には、まったく影響がありません。
そこで、家族自身に収入があれば、住宅ローンを利用することができます。
夫婦共働きの場合には夫や妻にローンを組んでもらったら良いです。
この場合、住宅ローンを完済したときにも、特に名義変更の必要などはありません。
親や独立している子ども、兄弟姉妹などに住宅ローンを申し込んでもらうことも可能です。
この場合、家族の口座からローンが引き落とされるので、ローン名義人になってくれた家族に対し、ローン返済額を家賃代わりに支払っていく必要があります。
また、家がローン名義人の家族名義になっているので、ローンを完済したら、不動産の名義を移してもらうことも必要です。
この場合の登記原因は、売買となります。
毎月の家賃代わりの支払いが、売買代金の支払いとなるのです。
少し複雑ですが、この方法だと自己破産直後でも家を購入できるので、覚えておくと良いでしょう。
まとめ
今回は、自己破産後に住宅ローンを組む方法を紹介しました。
自己破産をすると、基本的に10年間は住宅ローンを組めなくなります。
また、10年経って住宅ローンを組むときにも、いろいろな準備と工夫が必要です。
クレヒスを作り、属性をよくして、審査にとおりやすい金融機関を選びましょう。
どうしても早く住宅ローンを利用したい場合、家族に助けてもらう方法もあります。
自己破産をしても、住宅ローンを利用する方法はあるので、借金があるならば、躊躇せずに自己破産をすることをお勧めします。
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第2に、無料で相談できること。
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第3に、1度だけではなく何度でも相談できることです。
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