自己破産した場合、妻に影響はあるのでしょうか?
または夫、子供、親など家族などへの影響はどうなのでしょうか。
「自己破産をしたら、家族に迷惑がかかる…」
「自己破産をすると、子供の将来が…」
そんなことが頭をよぎり、
法律の専門家に相談をすることを先延ばしにしていませんか?
自己破産をすると、大なり小なり家族に影響があるものです。
しかし!
自己破産をするとどのように影響が出るかを知っているのと知らないのでは大違いです。
そこで!
自己破産をした場合におこりえる家族への影響はなにか?
自己破産ができる条件とは?
などについてご紹介します!
では、参りましょう!
自己破産した場合、家族への影響
もしも、自己破産をした場合、家族にはどのような影響があるのでしょうか?
自己破産をした場合に、次のような影響が考えられます。
- 家・土地、車、保険が無くなる
- 保証人に一括請求がくる
- ローンが組めなくなる
自己破産をすると、裁判所は破産者名義の家・車・保険などの価値のある財産全て換金処分のため差し押さえます。
また、夫婦や親子で共有している不動産も、差し押さえの対象になります。
破産者名義の財産が無い場合や財産が家族名義の場合には、家族への影響はほとんどありません。
そこで、主な影響を一つずつ具体的に説明していきたいと思います。
自己破産した場合、家がなくなった時の家族の影響
自宅が処分される場合、ローンの有無による違いがあります。
住宅ローンが終わっている場合
住宅ローンが終わっていれば、完全に破産者の所有物になるため、不動産も家も自己破産の換金対象としてみなされ差し押さえられます。
住宅ローンが返済中の場合
住宅ローンが返済中でも住宅は差し押さえられます。
ですが、
住宅ローンの返済は無くなります。
妻(夫)など配偶者への影響
もし、夫(妻)が自己破産をして家が無くなったら大変ですよね?
果たして、配偶者が受ける影響とは、どのようなものがあるのでしょうか?
夫(妻)が自己破産をしたら、家・土地・住宅など、破産者名義の全ての財産が差し押さえられます。
しかし
夫(妻)が自己破産をしても
保証人になっていなければ、負債を引き継いだり家族名義の財産を差し押さえられたりしません。
また、
生活に必要な最低限の生活必需品や、
価値にして20万円以下の財産や、
裁判所が没収しなくても良いと判断した物に関しては、
差し押さえらることはありません。
それ以外の換金価値のある財産は、債権者に分配するため差し押さえられてしまいます。
差し押さえられた自宅の住宅ローンが完済されている場合は、破産管財人によって、債権者に分配をするため売却されます。
売却されれば、引っ越しをしなければいけないことになります。
破産手続き中は、自宅に住み続けても問題はありませんが、いずれ引っ越しすることには違いありません。
しかし
住宅ローンがある場合は、債権者である金融機関が競売にかけ、住宅を売却して債権を回収します。
この時は競売の成立・不成立問わず、金融機関が提示した日までには、引っ越しをしなくてはなりません。
それでも、いままで住んでいた自宅を手放すことになると、破産者本人は仕方ないとしても、住み慣れた自宅が無くなるのですから、配偶者は精神的なダメージを受けることになってしまいます。
生活を一緒にしていれば影響があるのが当然ことです。
<持ち家or借家、その後の住む場所の違い>
- 持ち家の場合、自宅を明け渡して借家に住むことになるでしょう。
引っ越しを余儀なくされることになります。 - 借家(賃貸)住まいの場合は、そのまま住み続けることが可能です。
賃貸住宅に関しては影響はありません。
親・子への影響
破産者が自己破産をすると、実質的に考えられる親・子への影響はあるのでしょうか?
たとえば、自宅購入の際の頭金など破産者にお金を貸していた場合、返済義務がなくなるのでお金は返ってきません。
自己破産は、債権者だけではなく全ての借金に対して返済義務がなくなる制度です。
そのため、消費者金融や親・子への借金の返済義務がなくなります。
むしろ、気を付けたいことがあります。
それが、自宅購入の頭金の返済ため、破産者が自己破産をする前に財産の一部、もしくは全部を親・子に返済した場合です。
この行動は、裁判所からしてみれば「財産隠し」とみなされる可能性が非常に高いです。
財産隠しとみなされれば、もちろんですが親・子に返済した財産は、換価処分の対象となり没収されます。
さらに、財産隠しは「免責不許可事由」に該当すると判断されるため、自己破産の免責が受けられない可能性も非常に高くなるので、気を付けなければいけないポイントです。
未成年の子供への影響
まだ、自立できない未成年の子供にも、親の自己破産は影響するのでしょうか?
未成年者の場合は保証人になれません。
なので、自己破産については全く影響しませんので安心していいと思います。
しかし、未成年者でも、もし親が自己破産をして家を手放すことにななると引っ越しをすることになり、転校などともなえば少なからず精神的な影響はあると思います。
進学を希望していた場合、多くの親が入っている学資保険も金額によりますが、換金処分の対象になり差し押さえられます。
自己破産した場合、車がなくなった時の家族の影響
自己破産では、家の次に大きな財産として挙げられるのは車です。
もちろん車は、換金処分の対象になるため差し押さえられます。
しかし、住んでいる場所や職業などの事情で車が無いと困る場合、車を没収されてしまうと生活が成り行かなくなります。
病院の送り迎えや、車が無いと仕事ができない…など、事情は人それぞれ。
そのため、車の査定価格が20万円以上の価値がある場合でも、
どうしても車が必要な場合は、裁判所に車が必要な事情を説明して例外的に認めてもらえる場合もあるようです。
認めてもらえた場合は、車の査定価格を破産管財人に支払うことで、車を手元に置くことができます。
でも、稀なケースなのでなかなか裁判所も認めてくれるか難しいところです。
なので、高価な車は差し押さえられてしまうと考えておいた方が良さそうです。
地方の場合、車は生活必需品でですが、大きな街では、公共の交通機関が発達しているため、車がなくても何とかなるものです。
<車が処分される場合のローンの有無の違い>
- 自動車ローンが残っている場合
自動車ローンが完済するまでの所有権は信販会社にあるので、信販会社に引き取られる(引き上げる)ことが多いようです。 - 自動車ローンが残っていない場合
・車の査定価格が20万円以上の価値がある場合は、換金処分の対象になりますので、差し押さえられてしまいます。
・車の査定価格が20万円未満の場合、そのまま車を所持し続けることができます。
借金の保証人が妻の場合、自己破産するとどうなる?
自己破産をする際、妻が保証人だった場合どうなるのでしょうか?
自己破産手続きをすると、借金の返済義務がなくなりますが、
その代わりに、保証人である妻に全ての返済義務が移ります。
妻である保証人は、これらの借金の全てを一括返済しなければいけません。
妻が保証人の場合は、債権者は妻に一括請求をします。
なので、妻も自己破産をしなければならないケースもあります。
出来れば、このような事態になる前に、妻と話し合う必要があります。
妻と話し合っても解決しない場合は、早い段階で実績の豊富な法律家に相談をした方が良いでしょう。
自己破産した場合、ローンが組めない影響
自己破産をするとローンが組めなくなります。
自己破産をすると、金融機関がローンなどの申込者の個人情報(信用情報)に事故情報として登録されます。
信用情報に自己破産の情報が記載されると、おおよそ7年~10年間はクレジットカードや住宅ローン、教育ローンや自動車ローンなど、新たに借入契約はできません。
しかし、破産者以外の家族名義の契約は、破産者の自己破産の影響がないので全く問題はないです。
例えば、教育ローンなら、破産者ではない配偶者に切り替えたり、いくらでも方法はありますので、
実績の豊富な法律家に相談をすると良いアドバイスがもらえるでしょう。
自己破産した場合、進学・就職・結婚は影響が出る?
自己破産をすると政府発行の機関紙「官報」には、破産情報が掲載されます。
しかし!
官報を読む人も限られていますし、戸籍謄本には破産情報は掲載されません。
そのため、自己破産をしたことを人に知られる可能性は極めて低いと考えられます。
家族が進学する場合でも、面接の時に親の自己破産を知られる必要はありません。
学校側も、面接の時に「親が自己破産をしたかどうか」などの質問をしませんので、進学する時に自己破産の影響はないと言えるでしょう。
また、家族の就職活動・就職に自己破産の影響が出ることはありません。
もちろん、職業の制限もないので全く気にする必要もありません。
家族の結婚にも自己破産の影響はありません。
自己破産したときの家族への影響 まとめ
自己破産したときの妻や夫、子供、親など家族への影響は、多少の影響があることは覚悟してください。
とは言え、精神的な影響であって実質的な影響はないので安心していいと思います。
保証人になっていない限り自己破産をした本人以外に家族への影響は全くありません。
家族の進学・就職・結婚も問題ないでしょう。
自己破産とは、法律で決められた「破産法」と言う正式な借金の救済措置です。
必要以上に怖がることもありません。
上記のことから、自己破産を選択しても、家族には影響がないことが分かったと思います。
また、自己破産を選択すると、家族や保証人に迷惑がかかる場合は、
自己破産ではなく、個人再生や任意整理に切り替えることも考えてください。
いずれも、専門知識がないと難しい手続きですので、早めに専門家の意見を参考にした方がいいでしょう。
もしかしたら、自己破産より良い方法があるかも知れません。
だいいち、専門家に相談をすると、自己破産をする本人が一番安心できます。
配偶者の精神的ダメージはあるものの、自己破産の影響は破産者本人だけに及び、配偶者に自己破産の影響は全く及びません。
よって借金の返済義務が生じるといった心配はありません。