予納金(よのうきん)とは、どんな時に払うのでしょう?
また、予納金が払えない時はどうすれば良いのでしょうか?
予納金の基礎知識や、予納金が払えない時の詳しい対処方法など、分かりやすく解説していきたいと思います。
予納金とは?
予納金とは、自己破産をするための手続き費用となるものです。
この予納金が支払われて、はじめて破産手続きが開始されます。
自己破産申し立てをすると、裁判所から予納金の支払いについての連絡が来ます。
予納金の期日は定められていません。
裁判所によって異なるようです。
しかし、
予納金を支払わないと破産手続きが開始されないため、なるべく早く納付した方が良いでしょう。
弁護士や司法書士に依頼をされている場合は、破産手続きの前に積み立てるケースがほとんどです。
予納金の種類は 主に4種類
- 申立て手数料(破産手続き手数料)
- 官報公告費(官報に公告を掲載する代金)
- 予納郵券(必要書類を郵送するための切手代)
- 引継ぎ予納金(破産管財人の報酬)
予納金の金額 (例 東京地裁)
- 申立て手数料 1,500円
- 官報公告費
同時廃止 11,859円
管財事件 18,543円 - 予納郵券 4,200円
- 引継ぎ予納金
通常管財事件 50万円~
少額管財事件 20万円~
※予納金額は、事案に応じて変更される場合があります。
出典:東京地裁 破産事件手続き費用一覧より
(2022-5-18)
上記は、東京地裁の例を挙げましたが、あくまでも目安です。
他の各裁判所の予納金の金額は多少異なりますが大きく違いはありません。
ケースによって予納金が違う
予納金は、破産手続きの費用には間違いありませんが、扱われる事件や事件のケースによって、かなり費用に違いがあるので注意が必要です。
例えば、管財事件と同時廃止では、官報公告費が違います。
さらに、管財事件でも依頼した法律家が弁護士か司法書士か、通常管財事件扱いなのか、少額管財事件なのかによっても違ってきます。
その違いで、引継ぎ予納金が約30万円も違ってきますから、これらの違いをよく理解しておくことが大事です。
予納金が払えない時の対処方法は?
同時廃止の場合の予納金は、おおむね 2万円ほどで済みますが、管財事件の場合は、少額管財で最低20万円、通常管財で50万円ほど必要です。
もし、この予納金が払えない場合はどうしたらいいのでしょうか?
予納金が払えない時の対処方法1
予納金が払えない場合、直接裁判所に相談をしてみる方法があります。
裁判所の中には、予納金が払えない場合、分割払いに応じてくれる裁判所もあります。
しかし、分割の期間が3回~4回といったところ多いです。
東京地裁の場合、少額管財に限り最長4回の分割払いに応じているそうです。
もし、分割払いを希望される場合は、申立てをする裁判所に確認をしてみるといいでしょう。
予納金が払えない時の対処方法2
弁護士や司法書士事務所に依頼すると、貸金業者に借金の返済をストップしても良い状態にしてくれます。
弁護士や司法書士に依頼することで、借金を返済しなくても督促が来なくなるため精神的にも楽になるでしょう。
借金を返済しなくても良いわけですからお金が浮きます。
その浮いたお金を裁判所の費用として積み立てるというわけです。
弁護士や司法書士と相談しながら無理のない範囲で積み立てましょう。
積み立てが完了したら、破産申立てをします。
積み立てをしている期間中は、申立てができないので、自己破産手続き完了まで時間がかかってしかいますが、この方法なら確実にまとまった金額を積み立てることができます。
予納金が払えない時の対処方法3
法テラスに相談をしてみると言う方法もあります。
法テラスは、一定の条件を満たせば、個人の場合の自己破産費用(約15万円前後)の立替えを、援助してくれる制度があります。
返済については、5千円~1万円を毎月法テラスに返済をします。
生活保護世帯は、場合によって返済の猶予や免除もあります。
しかし、注意したい点は、自分で担当の法律家を選べないと言うことです。
でも、依頼した事務所が 法テラスに登録している事務所なら、依頼した事務所でも法テラスの利用が可能です。
予納金が払えない時の注意点
- 債権者に返済を止めている期間は、破産申し立てができません。
つまり、自己破産できるまで長期になってしまうという点。 - あまりにも長期にわたり支払いを止めていると、債権者から訴訟を起こされる恐れがあるという点。
- 弁護士・司法書士と相談をして、計画を立てて予納金の積み立てをする必要があるという点。
予納金についてのまとめ
予納金は、自己破産の申立ての際に裁判所に納付する手続きのための費用です。
もし、予納金が払えない場合は、以下の方法を検討してみましょう。
▪裁判所に相談をしてみる。
▪依頼した事務所に相談をしてみる
▪法テラスに相談をしてみる
予納金は、自己破産申し立てに必要な手数料です。
管財事件の場合は、引継ぎ予納金が発生するので、費用が高額になりますので、上記の方法を参考にされるといいでしょう。